上伊那未来人JINー第9話「敵の襲撃」

JINとタケルが洞窟で結晶体の存在を確認してから数日が経過した。その間、JINは未来から持ち込んだ装置で結晶体をさらに調査しつつ、敵の動きを警戒していた。村は一見すると穏やかだったが、時間破壊者たちがこの静けさを壊すのは時間の問題だと感じていた。

その夜、異変は突然訪れた。村全体に響き渡る大きな爆音。村の外れにある神社が激しい光を放ちながら燃え上がっていた。村人たちは驚きと恐怖で家から飛び出し、現場へと走り出した。だが、JINはそれが単なる火事ではなく、敵の仕業だとすぐに理解した。

「タケル、急いで避難しろ!」JINはタケルを家の中へ押し戻そうとしたが、タケルは頑として言うことを聞かない。
「僕も行くよ、JINさん!絶対に力になれるから!」タケルの目には決意の色が宿っていた。

JINは少し迷ったものの、時間がないことを悟り、タケルを連れて神社へ向かうことにした。現場に到着すると、そこには見慣れない黒い装備を身につけた男たちがいた。時間破壊者の一団だった。彼らは未来の技術で作られた機械を操作しながら、何かを探しているようだった。

「彼らは結晶体の位置を突き止めようとしているんだ」とJINは低い声で呟いた。

時間破壊者のリーダーと思われる男が、手に持った装置を神社の境内にかざしながら叫んだ。「結晶体はすぐ近くだ。装置が反応している!探せ、見つけ出せ!」

その声に応じて、手下たちはさらに激しく神社を破壊し始めた。村のシンボルとも言える神社が次々に倒されていく様子を見て、JINの怒りが沸き上がる。「これ以上奴らの好きにはさせない!」とJINは未来の装備を取り出し、電磁パルス装置を起動した。

装置が放つ眩い光とともに、時間破壊者たちの機械が一時的に動作を停止した。彼らが動揺している隙に、JINはタケルを安全な場所へ隠し、自ら敵に立ち向かった。

「おい、あんたは何者だ!」リーダーの男がJINに向かって叫ぶ。

「お前たちには関係ない。ただ、この村と結晶体は絶対に渡さない!」とJINは答え、持っていた武器で敵を牽制した。リーダーは嘲笑を浮かべながら、「我々が何のために動いているのか、お前には分かるまい。この世界を変える力を持つのは、結晶体だ。そしてその力を支配するのは我々だ!」と言い放った。

激しい戦闘が始まった。JINは未来の技術を駆使して敵を一人ずつ倒していくが、敵の数は多く、彼の体力も限界に近づいていた。その時、隠れていたはずのタケルが突然現れ、石を投げつけて敵の注意を引いた。

「タケル!危険だ、戻れ!」JINは叫んだが、タケルは怯むことなくJINを援護しようとしていた。その勇敢な行動が、ほんの一瞬だが敵の動きを鈍らせた。その隙を突いて、JINはリーダーの持つ装置を破壊し、時間破壊者たちは撤退を余儀なくされた。

「やった…!」とタケルが小さく声を上げたが、JINはその場に膝をつき、深く息を吐いた。「タケル、お前がいなければ危なかった。でも、これからはもっと慎重に動いてくれ。」と、彼は疲れた声で言った。

敵を退けたものの、JINはこの襲撃が単なる序章に過ぎないことを理解していた。時間破壊者たちは結晶体を諦めていない。さらに激しい戦いが待ち受けていることは明らかだった。

「結晶体の力が狙われている以上、守るためにはもっと強力な手段が必要だ。」JINは再び立ち上がり、次の戦いへの準備を心に誓った。

(第10話へつづく)