上伊那未来人JINー第13話「作戦会議」

結晶体を狙う時間破壊者たちの目的が明らかになった翌日、JINたちは村田家の蔵を拠点に、敵に備えるための作戦会議を開いた。蔵の中には村田さんが昔から大切にしてきた古い地図や道具が並び、タケルはその中から村の詳細な地形図を取り出して広げた。

「この地図を見ると、村の北側にある洞窟が結晶体の隠し場所だよね。でも敵はそこを狙ってる。どうやって守ればいいの?」タケルは不安げに尋ねた。

リサは、未来から持ち込んだホログラム装置を起動し、村の地形と結晶体の位置を立体映像として再現した。「敵の目的は結晶体を操作し、そのエネルギーを吸収すること。この装置で村全体の防御を考えながら、効率的に作戦を立てましょう。」

ホログラムには洞窟を中心とした村の地図が浮かび上がり、リサが重要ポイントにマークをつけていった。

「まず、この洞窟の入口に防御フィールドを設置します。これは結晶体のエネルギーを感知して作動する装置で、敵が侵入しようとしたら警告を発する仕組みです。ただし、このフィールドは完全ではありません。突破される可能性もある。」リサが言うと、JINは真剣な表情で地図を見つめた。

「それなら、敵がフィールドを突破する前に、こちらから迎撃する準備を整えるべきだな。」JINはそう提案し、地図上の狭い道を指差した。「ここ、洞窟に続くこの道は、敵を足止めするのに最適だ。木や岩を使ってバリケードを作り、進行を遅らせることができる。」

「それなら僕たち村人も手伝えるよ!バリケード作りくらいなら得意だし。」村田さんがそう申し出ると、JINは感謝の言葉を述べた。「ありがとうございます。皆さんの協力がなければ、この村を守ることは難しいです。」

続いてリサが別のポイントに目を向けた。「敵が機械を使って結晶体を操作しようとするのを防ぐには、私たちも装置を準備する必要があるわ。幸い、私が持ってきた未来の技術を使えば、結晶体の周囲に特殊なバリアを張ることができる。ただし、このバリアを展開するには時間がかかるから、その間は敵の注意を引き付けなければならない。」

「つまり、囮作戦だね?」タケルが尋ねると、JINは頷いた。「そうだ。敵の注意を洞窟から逸らすため、別の場所で動きを見せる必要がある。それをうまくやれば、リサが結晶体を守るための準備を整える時間を稼げる。」

「でも、囮って危険じゃない?誰がやるの?」タケルの不安そうな声に、JINは力強く答えた。「もちろん、僕がやる。敵を引き付けるのは僕の役目だ。」

「それなら、僕も行くよ!一人じゃ危ないし、僕だって村を守りたい!」タケルの決意に満ちた言葉を聞き、JINは少し迷ったが、リサが口を開いた。「JIN、彼を信じてみましょう。タケルはこの土地に詳しいし、案内役としては最適よ。ただし、危険な状況になったらすぐに逃げること。そこは絶対に守ってもらう。」

タケルは力強く頷いた。「分かった!絶対に足を引っ張らないよ!」

こうして、洞窟周辺の防御フィールド、バリケードの構築、囮作戦と結晶体防御の準備が同時進行で進められることになった。

会議が終わる頃、JINは全員に向かって静かに言った。「これは簡単な戦いじゃない。敵は未来の技術を持ち、圧倒的な力で攻めてくるだろう。でも、この村の命運と未来の平和を守るため、僕たちにできる限りのことをしよう。」

その言葉に、リサも村田さんも、そしてタケルも力強く頷いた。こうして、敵に立ち向かうための決意を胸に、JINたちは準備を始めたのだった。

(第14話へつづく)